最近、ニュースで「無電柱化」の言葉を聞く機会が多くなってきました。特に日本は台風や地震など、自然災害が多い国なので、「無電柱化」に対して反対するの声もあがってきているようです。
そこで今回は、「無電柱化」のメリットデメリットと、「無電柱化」を反対する声をご紹介していこうと思います!
無電柱化とは?
無電柱化とは私たちの生活には欠かせない電気やネットワークの線(電気線,通信線等)を道路の地下空間を利用して、道路から電柱を無くそうという計画のことです。
実はロンドンやパリではすでに100%
台湾や台北では95~100%無電柱化が進んでいるそうです。
ちなみに日本では東京23区で8%大阪では6%と
世界と比べるとまだまだ浸透されていないのが現状です。
引用元:https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_01.html
メリット
「無電柱化」をするメリットを簡単にご紹介します!
災害時に被害が拡大するのを防ぐ
台風や地震の影響で、電柱が倒れて家が破壊されていたり、道路に横倒れしている映像をニュースでも度々流れていますよね。
そうなると、助けを待っている人々の人命救助にかけつけた救急車や消防車が通れなくなり、救助が遅れてしまいます。
「無電柱化」になれば、災害時でもスムーズに救助にかけつけることができますし、電柱が倒れてくる二次災害など危険な目にあってしまうこともありません。
歩行者の安全で快適な道路になる
電柱が道路の端にあるとどうしても歩行者は車道側に出なくてはなりません。
特にベビーカーを押している方や車イスで生活されている方などが、安全に歩こうとしても歩道と車道が分かれていても電柱があると邪魔になってくるんです。
歩道と車道が分かれていない道もまだまだたくさんありますよね?
「無電柱化」になれば、歩道スペースの幅も広がるので、快適かつ安全に通行することができます。
景観が美しくなる
旅行に行かれた際に、景色を撮ろうとしても電柱や電線が邪魔で綺麗に撮れないと思われたことはありませんか?
私は何度かあります。
旅行先のホテルやインスタ映えしそうな場所でも電柱や電線が映らない場所を探すのって
意外と一苦労なんですよね。
思い出づくりに撮った写真でも電柱があると、風景が綺麗に撮れませんし
見栄えもあまりよくないです。
3つほどメリットを書き出しましたがまだまだあります。
「無電柱化」になった土地は資産価値が向上するという話や、防犯効果、
鳥の糞や犬のマーキングによる衛生上の問題も軽減されるということも言われているそうです。
デメリット
それでは「無電柱化」のデメリットもご紹介していきます。
コストが高い
「無電柱化」をしようと工事をするには通常の電柱を設置するのに比べて費用が
約10倍もかかるそうです!
工事期間も東京都建設局のHPを見てみると標準的な施工単位(道路延長約400m)で
約7年ほどかかるというので、通勤通学の時などルートの迂回をしなければいけない場合も
あるでしょうし、夜間工事になったとしても周辺に住まわれている方には
迷惑に思われる場合もあると思います。
このコストが高いという点でも日本で「無電柱化」が
進んでいない原因の一つだといわれています。
復旧に時間がかかる
「無電柱化」になると通常の電柱に比べて破損した場所を特定するのに時間がかかるそうです。
地上にあった電柱を地面に埋め込んでいるんですから、
時間がかかるのはなんとなく想像はしやすいですよね。
メンテナンスに対しても冠水等で作業ができなくなる場合も考えられるので
そのことも踏まえると確かに復旧に時間がかかるといえるでしょう。
地上機器の設置場所問題
地上機器とは、主に変圧器等のことで
変圧器は電力を高圧(6600V)から低圧(100Vまたは200V)家庭用に変圧させるための機器のことです。
これを地上に設置するのに外観の問題が出てきているそうです。
町にあるとこんな感じになりますね、
見た目がシンプルで外観を崩すことも写真映りの邪魔になることも少なそうです。
広い道なら電柱より邪魔にはならないような気がしますが、
これが細い道にあるのかと考えると…
設置場所の問題については、地域の人との話し合いが必要不可欠になりそうですね。
「無電柱化」に反対の声
「無電柱化」に対しての反対の声は主に
- 高い税金を出して外観にこだわる必要はない!
- 工事の騒音や振動、通行止めに対しての住民からの苦情
- 業者からも「案件は多いが工事の粗利はよくない」
- 電柱が無くなると昔ながらの風景がなくなり寂しい気もする
などがあげられていました。
確かに工事の騒音や振動、道路の通行止めは住民の方からすれば、
迷惑な話でしょうし、外観のためだけではですが「高い税金を払う」という
ことに対して意見が出てしまうのも無理もない話ではありますね。
中には知っている人は知っている須賀亮行さんこと「電柱マニア」の
方々にとっては自分の好きな電柱が無くなると寂しいという意見も
あって当然だと思います。
まとめ
「無電柱化」に対しての意見は様々ありましたね。
メリットは人命救助がスムーズになり二次災害の危険もなくなる、外観がすっきりし衛生上の問題も改善など
デメリットでは費用が高いことや工事の問題、地上機器の設置場所など
反対の声が出ているのも頷ける内容でした。
全都道府県に「無電柱化」を施す必要があるのかどうなのか、
今後の動きに注目が高まります!